ケーススタディ

国が示す第２期「まち・ひと・しごと創生総合戦略」では、「地方とのつながりを築き、地方への新しいひとの流れをつくる」を目標として、特定地域に継続的に多様な形で関わる「関係人口」の創出・拡大の図る取り組みを推進しています。

本事業は、関係人口の創出・拡大に取り組む動きを加速化し、地方への新しいひとの流れをつくるため、都市部住民と地方との関わりの創出・拡大に向けた中間支援を行う先駆的なモデル事業を実施し、自走していくためのスキーム（仕組み）について調査・検討を行うことを目的として、公募が実施されたもので、弊社は、株式会社sotokoto online、法政大学地域研究センターとともに、標題事業を提案・採択を受け実施にあたりました。

事業の実施にあたっては、関係人口創出・拡大を図る特定地域として、島根県浜田市および江津市のご協力を、また、既存の関係人口コミュニティとの連携にあたっては、（公財）ふるさと島根定住財団、島根県のご協力をそれぞれいただき、取り組みました。

１．地域展開プロジェクト

関係人口創出・拡大にあたっては、対象特定地域の状況に応じて、STEP１【関係人口創出期：スタートアップ型】、STEP2【関係人口拡大期：ブラッシュアップ型】に分類し、それぞれの段階における活動と中間支援の有効性を検証しました。

STEP１【関係人口創出期：スタートアップ型】
浜田市内の公民館３館と法政大学大学院生とをつなぎ、「地域課題と地域資源の共有」「地域資源活用による課題解決・可能性発見方策の検討・協働」を図るため、以下の取り組みを進めました。

【活動内容】

① 　オンラインワークショップ
②　課題発見オンライン・フォイールド・トライアル開催
③ 　オンライン交流会

【成果】

①　オンライン・フィールド・トライアルにおいて関係⼈⼝層から公民館への方策提案の件数：２１件
②　本活動への参加により⾃⾝の地域活動への意欲が⾼まったと回答した地域住民の割合：９０％
③　今後も継続した協働活動を希望すると回答した地域住民の割合：９０％

STEP２【関係人口拡大期：ブラッシュアップ型】
江津市内のまちづくりNPOが運営する市民大学「GO➤つくる大学」及び温泉街再生に取り組む有福温泉地域と、島根県の地域づくりに関心をもつ関係人口コミュニティ「しまコトアカデミー」（主催：（公財）ふるさと島根定住財団・島根県）の有志をつなぎ、「地域資源と自身のスキル活用による市民ニーズに応える講座づくり支援に向けた取り組み、「温泉街の課題と地域資源と自身のスキルを活かした、エリアマネジメント構想推進にかかる協働プランの検討」を図るため、以下の取り組みを進めました。

【GO➤つくる大学との連携による活動内容】

①　オンライン事前説明会開催
②　オンライン連続ワークショップ３回開催　（指導：GO➤つくる大学事務局）

【有福温泉地域との協働に向けた活動内容】

①　オンライン事前説明会開催
②　課題発見オンライン・フォイールド・トライアル開催（有福温泉街）
③　オンラインプラン発表会

【成果】

①　オンライン・フィールド・トライアルにおいて関係⼈⼝層から公民館への方策提案の件数：１５件
②　関係人口との協働が、⾃⾝の活動におけるサポート人材確保に役立つと回答した地元関係者の割合：１００％
③　今後も継続して有福温泉地域との協働活動を希望すると回答した関係人口層の割合：８６％

２．オンライン・プロジェクト

オンラインを活用し、関係人口層のすそ野を広げていく取り組みとして、「かかわりシロ発見」オンラインセミナーの開催と、YouTubeを活用した関係人口層とともにつくる「かかわりシロ・チャンネル」配信を実施しました。

【活動内容】

① 　かかわりシロ発見オンライン・セミナー開催
②　YouTube「かかわりシロチャンネル」配信

【成果】

①　オンライン・セミナー参加者数：50人以上
②　YouTube「かかわりシロチャンネル」配信動画数：１７編

３．当プロジェクト独自の調査委員会開催

関係人口の取り組みやローカルプロジェクトの自走化に精通する専門家による調査委員会を2回開催し、事業を検証いただきました。

委員長
若林 宗男 氏（事業構想大学院大学客員教授）

委員　五十音順
指出 一正 氏（雑誌ソトコト編集長）
正能 茉優 氏（ハピキラ代表・慶應義塾大学大学院特任助教）
田中 輝美 氏（ローカルジャーナリスト）
松本 敦則 氏（法政大学地域研究センター長）

助言者
三浦 大紀 氏（GO➤つくる大学 校長）

詳しくは内閣官房／内閣府「地方創生・関係人口」サイトのリンクより成果報告資料・弊社ディレクターによる発表動画をご覧ください。