新たな世紀の到来を目の前にし、時代も人々の意識も変わり始めていた1999年、シーズ総合政策研究所は小さな一歩を踏み出しました。
その原点は、島根県吉田村での「鉄の歴史村」づくりにあります。30年に及ぶこの実験的な地域運動は、私たちに「土地のコンテクスト(文脈)」を見つけ出すことの大切さや作法について多くの学びを与えてくれました。
私達は、ときにさまざまな「声」の響きに耳を澄ませ、ときに豊かな生命力を持つ「場の力」と出会い、いくつもの課題と向き合いながら、地域の資源や既に失われてしまった記憶、遺産を手がかりに、外部とつながる仕組みをつくり、「描く、観る、形にする」を通して、各地の地域振興、産業振興のお手伝いをしてまいりました。
いま、多くの人びとが地方の多様性に富む暮らしのなかに人間の根源的な「幸せ」に通じる、豊かな「水脈」が存在していることに再び気づきはじめています。
その水脈は、ただあるだけでは力を発揮しません。新しい知識や技術、作法を駆使してはたらきかけることによって、はじめてイノベーションの源泉となり、現実を変えていく力になるものです。そこで、私達は、関係人口事業により、新たな地域振興に取り組んで参ります。
シーズ総合政策研究所は、その作法と意思を携え、ひとつひとつの地域が、幸せを感じることのできる場であることを願い、生きる地域に貢献できる会社であるために、これからも努力を続けてまいります。